当院外来では2つの病気にボトックス治療を行っています。
ボトックスとはボツリヌス毒素という物質で、
筋肉に注射することで筋肉のこわばりをやわらげます。
※担当医の外来担当日のみ受診頂けますので、事前に当院まで必ずご連絡お願いいたします
対象となる病気
片側顔面けいれん
片側顔面の筋肉が自分の意思とは関係なくピクピクふるえる病気です。多くは眼瞼(まぶた)に起こりますが、頬や口のまわりにも見られます。片側顔面けいれんの詳しい症状はこちらです。
上下肢痙縮(手足のこわばり)
脳卒中によって麻痺した手足がこわばることを痙縮(けいしゅく)といいます。この痙縮した筋肉にボトックスを注射することでこわばりが軽くなります。
ボトックス治療が勧められる方
- 一側のまぶたや頬、口の周りなどがピクピクふるえて困る方
- 肩や肘の関節が固くて着替えがしにくい方
- 手が開きにくくて手のひらの清潔を保ちにくい方
- 手を強く握ってしまい、爪で手を傷つけてしまう方
- 肩や肘の関節が固くて歩くときに曲がってきてしまい、歩きにくい方
- 足がつま先立ちになってしまい歩きにくい方、足の指が曲がってきて歩きにくい方など
費用と対象となる患者さん
- 効果は約4か月持続するので、継続して注射する必要があります。
- 注射薬の値段は1単位が約700~800円です。
- 片側顔面けいれんでは1回の治療で50単位を使うので、約40000円かかります。
- 保険が適用されますので、3割負担の場合、自己負担は約13000円になります。
- 手足の痙縮には、1回あたり、150~360単位を使いますから、3割負担の場合、自己負担が非常に高額となります。
- そのため当院では身体障害者手帳3級以上を持った方を対象としています。
副作用
危険な副作用はありません。一番多い副作用は筋肉の麻痺です。
まれに、顔の筋肉に注射することで、一時的に顔やまぶたの動きが悪くなることがありますし、足の筋肉に注射することで足に力が入りにくくなることがあります。
しかし、万一副作用があっても時間経過とともに症状は軽くなってきて完全に回復します。
治療までの手順
- ※担当医の外来担当日のみ受診頂けますので、事前に当院まで必ずご連絡お願いいたします
- 最初に外来を受診し、治療の適応があるかどうか診察します。
- 適応があると診断された場合、注射する日を予約します。
(普通は1週間くらい先に予約します。) - 注射は外来で行います。
- 治療にかかる時間は片側顔面けいれんの場合、15分程度です。
- 手足の痙縮の場合、注射直後に注射した手足の関節をリハビリスタッフがストレッチします。ですから全部で30~60分程度かかります。
- 理想的には、注射した日と翌日、翌々日の3日間続けてストレッチングすると一番効果があります。
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一般的な治療法、ボトックス治療を行っている医療施設などが載っています。